第8章 狂気×狂態×狂人
「そんなに急いで、何処へ行くつもりだい?」
「来るな! うグッ」
腰が抜けて上手く動けない。
数歩で追いついたヒソカに首を掴まれた。
グッと力を込められ、そのまま持ち上げられる。
「苦しいかい?」
頭上に高く持ち上げた私を見上げて笑っている。
その表情からは狂気が感じられた。
完全に狂っている。
「な、ぜ……」
なぜこんな事をするのか。 どうしても理解出来ない。
なぜ、なぜ?
こんな事をしなくても、ヒソカなら十分に合格出来る実力を持っているではないか。
なぜ、全てを壊そうとするのか。
「 ボクは気まぐれだから♦︎」
やはりこいつは危険だ。 まともじゃない。
「今直ぐにでも、壊してしまいたい……❤︎」
「は、な……せッ」
絞り出すように、やっとのことで発した言葉。
しかし、奴は手を緩めるどころか、さらに力を込めて締め上げてきた。
薄れゆく意識の中、ヒソカの独り言が聞こえてくる。
「壊すには……まだ早い♣︎」
「……ッ」
「キミは、合格だ❤︎」
そに言葉を最後に、私は意識を手放した。