第25章 ドキドキ×ワクワク×試験管補佐
「あ、部屋に泊めてくれてありがとう!」
レオリオ達と別れる頃には、既に日が落ちて辺りは闇に包まれていた。
部屋へ戻ると、少女が枕と掛布団を床に敷いていた。
ベッドの枕と掛布団はある……どこから持ってきたんだろう?
疑問が表情に出ていたのか、少女が説明してくれた。
「トンパから貰ってた鍵の部屋から枕と掛布団を拝借したの。 あの部屋で寝るのはひとりだけだからいいかなって」
『なるほど。 でもベッドを使って良かったのに』
「少し横にならせてもらったけど、やっぱり悪いわ」
そう言って少女は横になってしまった。
ベッドでは寝ませんよと体で示している。
「そういえば自己紹介がまだだったわ。 私はポンズ。 よろしくね」
『よろしくポンズ。 私はニーナ』
ベッドに腰掛けると、ポンズがうつ伏せになって頬杖をついた。
「ニーナはハンターなの?」
『まだ初心者だけどね』
「凄いなぁ。 ニーナの時はどんな試験だったの?」
なぜポンズを放っておけなかったのか今分かった。
彼女を見ていると、故郷の妹達を思い出すからだ。
「ねぇねぇ、姉様! 狩りはどうでしたか?」とその日の狩りの話をせがまれていたな。
懐かしさと少しの寂しさを感じながら、ポンズに私が受けたハンター試験の内容を話した___
「___ッ! おき___! ニーナ起きて!」
『……どうかしたの?』
やっぱりポンズを床で眠らせたくなかったため、ハンター試験の話を聞かせる条件としてベッドで一緒に寝ていたポンズに揺すられて目が覚める。
『んん……どうしたの…』
「飛行船よ! ほら!」
指が差された窓の外を見やると、飛行船が見えた。
『え!? なんで!?』
なぜこんな時間に飛行船が?
部屋を飛び出し慌てて外へ出ると、そこには既に受験生達がいて呆然と飛び去って行く飛行船を見つめていた。
「おいおいどういうことだ!?」
「俺たち置いてけぼりにされたのか?!?」
「おい用心棒! 説明しろ」
『え!?』
受験生達の混乱が次第に苛立ちに変わり、その矛先が私に向けられた。
あの毛のない男が先頭に立って。