第24章 亡失した故郷
その後、ノブナガ達と出会うまでひとりで彷徨っていたオレの面倒を見てくれたのは近所のジジィだった。
「よぉ、ジジィ。 まだお迎え来ねーのか?」
「残念ながらな。 この通りまだピンピンしとるわい」
軽く挨拶を交した後、ジジィが急に顔をグッと近づけてきた。
「ウボォー、おめぇいつあんな綺麗なねーちゃんと知り合ったんだ?」
「は?」
ついにボケたか。
「え〜っと、名前はなんだっけかな〜」
「旅団のメンバーと勘違いしてんのか?」
ここの連中のほとんどは蜘蛛のことを知っている。
もしかしたら蜘蛛のメンバーのことかもしれない。
「いやいや! 初めて見る顔でな、おめぇを捜してたんじゃよ。 でもここの人間じゃないから何も教えてないぞ」
一体どこの誰がオレに用があるってんだ。
あるとしたら、蜘蛛かオレに恨みがある奴の可能性が高いな。
「名前が確か、エ…エイダ……そうエイダじゃ!」
「知らねーなそんな奴」
「おめぇみたいな不細工でもあんな綺麗なねーちゃんを虜にできちまうとはな〜けっけっけ!」
「うるせーよジジィ」
ジジィの物言いから察するに、そのエイダって女はオレに敵意があるわけじゃなさそうだ。
じゃあ何なんだ? 一体なぜオレを捜している?
いつもなら「どうでもいい」と思ってすぐ忘れるはずなのに、なぜかその女のことが頭から離れない。
本当に、不愉快だ……