第19章 とある民族学者の論考 Ⅲ
彼等はその後、ボロボロになった服の代わりと酒を街で調達し、かつて立派な家が建っていた敷地の一角で酒盛りをした。
その間もウボォーギンはずっと静かなまま。
他の団員達が話しかければいつも通りに話すが、その後はまた静かになる。
あの写真を見てからこうなった。
なぜ写真を見てそうなったのか皆気になっていたが、あまりに普段のウボォーギンと様子が違うため、誰も聞く勇気が出なかった。
その間もクロロはずっとウボォーギンを観察し続けていた。
夜が明ける頃、クロロは皆に今後についての話をした。
「この日記をもとにまたアマゾネスについて調べてみる。何か分ったら連絡する。今回の仕事はこれで終わりだ」
別れの挨拶を交わし、皆それぞれの帰路に就いてゆく。
「元気でな!団長!」
「ウボォー」
「?」
「何か言いたいことがあれば、何時でも連絡してこい」
「……あぁ、分った……」