• テキストサイズ

覇者×ト×敗者

第14章 再開


「姉様、聞きたい事があるのですが」

「?」

「私達アマゾネスは……本当に女しか生まれないのですか?」

なぜ、突然そんな事を……!?
まさに今話そうとしている内容に大きく関わる。

「それと、スイレンという名のアマゾネスを知りませんか?」

「婆様の名だが……まさか、知らなかったのか?」

「…………」


…………知らなかったのか。


「長の名を知らないとは……まぁ、名で呼ぶ事はほぼないから忘れても仕方ないかもしれないが、なぜ突然そんな事を?」

ニーナはハンター試験後に行われたパーティでの出来事を話してくれた。

「婆様と知り合いだったのか」

ネテロ会長はハンター協会の会長であり、婆様の事を知っている。
という事は、故郷の村の中にあった、あの一番はっきりと見えていた残留思念は婆様のもの……?
婆様がハンター協会へ行った、あるいはネテロ会長が村に来たかのどちらかだ。

「どういう関係なんですかね?」

「分からない。だが、私がハンターになるきっかけにはなった」

2人がどういう関係かはまだ分からないが、それで発生した残留思念のおかげで私はハンターになるに至った。

「話すべきだな……私が故郷に帰らない理由」

会長はニーナに、男が産まれた事実を知ってほしいみたいだ。……それとも、アマゾネス全員に?
私はそんな事聞かれなかった。既に、男が産まれたという事実を知っていたから?
あのお方が何を考えているのかは分からない。
だが、私がするべき事だけははっきりした。

「探したい人がいるんだ」

「探したい人?」

ニーナに話そう。

「村から追放された母様と、その子どもだ」

「追放!? そんなの初めて聞きました」

「ニーナが生まれて間もない頃の出来事だから」

深呼吸をひとつして、私はニーナに昔何が起こったのかを全て話した。

/ 232ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp