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覇者×ト×敗者

第14章 再開


店を構えてだいぶ経った頃。
仕事でサヘルタ合衆国のとある街へ来ていた。

《発見!》

「あの人か……」

手元の写真を確認する。
間違いない。
依頼人に電話をかける。

「尋ね人を発見しました。現在地を送ります」

〈ありがとうございます。報酬は指定の口座へ振り込んでおきますので〉

「よろしくお願いします」

仕事を終えて、帰りの飛行船に乗り込む。
人捜しは長距離移動が多くて大変だが、ファーストクラスで快適な旅が出来るのが唯一の救いだ。
数日飛んだ後、飛行船は燃料補給のために途中の空港に寄った。
補給が終わり、新たな乗客も乗せて再出発。
ずっと部屋にこもっているのも退屈なので、食事処で何か食べようと部屋を出た。

「!」

見覚えのある後ろ姿………

「……ニーナ?」

「エッダ姉様!」

「ニーナ!」

私を見て嬉しそうに笑うニーナ。
その笑顔を見れたのはとても嬉しい。けど……

「すまないッ!すまなかった……あんたはずっと、私を……待っていたのにッ」

「!」

ニーナが待っていると知りながらひと言も声をかける事なく、ずっと待たせ続けていた。
それに対して謝りたい。

「姉様が生きてて良かった。こうして再開出来て、私は嬉しいです」

優しい言葉に胸が締めつけられる。
少し懐かしい思い出話をした後、ニーナとゆっくり話をするために私の部屋へ案内しようと思ったが、驚いた事に彼女もハンターになっており、ファーストクラスのチケットを持っていた。
ニーナの部屋で、彼女が気に入りそうなものを頼んでお茶にする。

「……ニーナ。私がなぜ故郷へ帰らないのか……知りたいか?」

ニーナには知っておいて欲しい。
だが、一方的に聞かせたくはない。
ニーナは何かを考え込んで難しい表情を浮かべている。

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