【YOI夢】ファインダー越しの君【男主&オタベック】
第4章 エピローグ
「え?」
あまりにも自分にとって都合の良すぎる台詞に、守道は目を白黒させる。
「ただ…俺は不器用な上、これまで色恋沙汰とは全く無縁の生活を送っていたから、貴方を苛つかせたり失望させてしまうかも知れない」
「君、海外でも日本でも割りとモテてなかった?TVで女の子達に囲まれてる所を見た事あるけど」
「プライベートとファンサービスは、全くの別物だぞ?」
当然だろうと言わんばかりのオタベックの表情に、守道は内心で安堵する。
「まあ…確かに君達トップアスリートは、競技や後援者達との付き合いとかで、恋愛どころじゃなさそうだね」
「それもあるが…」
表情を曇らせたオタベックに守道は片眉をつり上げたが、そんな守道の様子に気付いたのか、話を続けた。
「ピーテルであのような別れ方をした後も、ずっと貴方の事が引っかかっていた。だから、モスクワで貴方と再会出来て嬉しく思ったし、その後も貴方とのメールや電話が本当に楽しかったんだ」
「そりゃ光栄だが、ちょっと大袈裟じゃない?」
「貴方に伝えた俺のプライベートアカウントは、家族やごく限られた人間しか知らない。スケート関連の人達には一切教えていないんだ。勿論、ユーリやサユリにも」
「何故?」
「貴方には、スケーターじゃないありのままの俺を見て欲しいと思ったから。プライベートの俺は、写真とバイクと音楽が好きで…そして、最近はもう1つ好きなものが増えたんだ。減らず口の皮肉屋だけど、優しくて何処か憎めない貴方…の…っ…」
はたと我に返ったオタベックは、自分がとんでもない告白をしている事に気付くと、手で顔を覆い下を向く。
「ちょっと、自分で言っておいて何照れてるんだよ!?聞いてるこっちはもっと恥ずかしいんだからな!」
「…恥ずかしいだけか?」
「そんな訳ないに決まってるだろ」
即答した守道は、再度オタベックの肩に手を置くと、顔を上げさせる。
リンク上の『カザフの英雄』とは違う、青年の自信なさげな表情を見て、守道は優しく微笑みながら、ゆっくりと右手を彼の左の頬に当てた。
触れた一瞬だけピクリと身体を竦ませたオタベックだったが、やがておずおずと自分の手を守道の手に重ねると、目を閉じた後でカザフ語で何かを呟いた。