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【YOI夢】ファインダー越しの君【男主&オタベック】

第3章 公私の国交


『大丈夫だ守道、何も心配はいらない。お前には伯父さん達がついているからな…』
ランドセルを背負い始めるようになって間もないある日の午後。
教室でクラスメイトとふざけっこをしていた守道の元へ、担任の教師が血相を変えながら現れた。
てっきり悪戯を咎められるのかと思ったが、職員室に連れられた守道は、そこで気難しい顔をした校長先生に迎えられ、子供にとってはあまりにも衝撃的過ぎて実感が湧かない残酷な事実を伝えられたのだった。
幼くして突然両親を失った守道に、周囲は同情の目を向けながらも、いざ今後の事となると関わりたくないという態度を隠さなかった。
そのような中、守道に救いの手を差し伸べたのが、当時は内地で勤務していた今の父親達だったのだ。

「むしろ今の両親も兄達も、俺を本当の家族のように分け隔てなく接し、育ててくれた。親戚をたらい回しにされたり施設に送られる事を考えれば、俺は充分過ぎる程恵まれているし、彼らに対して尊敬も感謝もしている」
僅かに俯いたオタベックを視界の端に捉えながら、守道は、まるで何処か他人事のように己の過去を話し続ける。
「…でもね、いつも心の何処かで引っかかるんだ。お前の本当の居場所はそこじゃない。お前の本当に欲しいものは、決して手に入らないんだ、とね」
いつもの皮肉に満ちた表情とは違った守道の寂しげなそれに、オタベックは、あの日ファインダー越しに見た彼の背中を思い出した。
そんなオタベックの視線に気付いた守道は、口元を歪める。
「参ったな、聞かせるつもりはなかったのに。誰かにこの話をしたのは、君が2人目だ」
「2人目?」
「1人目は、君も知ってるあの人だよ」
それが、互いの共通の知り合いである純の事だと察したオタベックは、心優しい純ならば、この男に親身になって接していたのだろうと思う反面、何故か理不尽な怒りのようなものもこみ上げてくるのを覚えた。
「…サユリですら解決出来なかった事を、俺が出来る訳ないだろう」
「ん?」
「貴方は勝手過ぎる。人を煽るだけ煽っておきながら、いざとなったら突き放すような真似をして、一体俺の事を何だと思っているんだ?」
眉を吊り上げて怒りを露わにしたオタベックに、守道は驚愕した。
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