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【YOI夢】ファインダー越しの君【男主&オタベック】

第2章 グレースケールではないモノクローム


「ライカとは、乙なチョイスじゃないか」
「叔父がお下がりのカメラをくれた時、ライカのデジカメを新調してたのを思い出してな」
「…君の叔父さんは、どれだけのカメラ道楽なんだ」
「だけど、叔母に内緒で購入したから、後で大目玉を食らってた」
「はは、そういうのは何処の国でも変わらないんだな」
その後、フィルム装填の際に一悶着あった(「判らなければ教えてあげるよ?」「調べてきたからいい」「デジカメと違って、失敗したら貴重なフィルムが台無しになるからね。それ、今じゃもう廃盤で手に入らないヤツだし」「…」)ものの、オタベックは無事に初めてのフィルムカメラを構える。
スマホやデジカメとは透明度も彩度も比べ物にならないが、何処か新鮮さを覚えながらファインダーを覗き込むと、その先でカメラを物色する守道の姿が映った。
(また…)
ソ連製のフィルムカメラを嬉しそうに掲げている守道の明け透けな表情に、ほんの少しだけオタベックの心が揺れる。
あの日、オタベックのデジカメのファインダーから彼が自分を見ていた時も、同じような気持ちだったのだろうか?
「…」
オタベックは、ライカのシャッター音の小ささに紛れて、記念すべき1枚目を収めた。

その後は、スタジオや大学のキャンパス等で撮影を続けていた。
スタジオの壁に大きな鏡があったので、ふとある事を思いついたオタベックが守道に相談した所、
「いいじゃないか。やろう!ここはロシア、自撮り発祥の地だ」
『世界で初めて自撮りをした10代』と呼ばれる約100年前のロシアの皇女アナスタシアが、鏡に映る自分の姿を撮影した時と同じようなポーズで、出来るだけ似せた小道具を並べ、椅子に乗ったオタベックが守道や他のメンバーから目線やポーズを指示されつつシャッターを切ると、歓声が上がった。
多少の気恥ずかしさを覚えつつも、スケートの時とは違った周囲の声に、オタベックは自然と口元に笑みが浮かんでいた。
「楽しんでるようだね」
「…貴方もそうやってカメラを構えてれば、減らず口が引っ込むのだな」
「まあね。代わりに、コッソリ君の写真も撮ってるけど」
「肖像権で訴えるぞ」
彼の減らず口にもある程度耐性がついてしまったようで、オタベックはそれ以上は構わず、残り少なくなったフィルムに収める被写体を探していた。
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