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【YOI夢】ファインダー越しの君【男主&オタベック】

第2章 グレースケールではないモノクローム


大学に到着した2人は、文化系クラブやサークルの部室棟へと歩を進めた。
見慣れぬ光景にオタベックが僅かに身構えていると、隣から守道のからかうような声が飛ぶ。
「普段、世界を相手に大観衆の中で演技してるくせに、何ビビってるの?」
「ビビってなどいない」
「ユリオくんも、俺との日本語レッスンやTRPGのセッションで、ここには時々遊びに来てるから、気兼ねなんてしなくて良いよ」
「…貴方こそ仮にも年長者なら、もう少しその大人げない減らず口を、何とかしたらどうだ?」
「俺のコレは、一生直んないよ。だから、女の子にモテないのかなあ」
悪びれずに返す守道に、オタベックは息を吐く。
そうしている内に、本日の撮影スタジオとして借りた部屋に、2人は足を踏み入れた。
「守道、待ってたぞ。えーと、そちらは…?」
「この間言っただろ?写真が好きな俺の知り合い」
「今日はよろしくお願いします」
本日の主催者である写真部の部長に、オタベックは会釈をする。
「あれ…君、もしかしてスケートの…?」
オタベックを見ながら首を傾げる部長に、守道は口を挟もうとしたが、
「良く『似てる』と言われます。フィルムカメラは初めてなので、色々教えて下さい」
「そうなんだ。君みたいな若い子が参加してくれるのは、大歓迎だよ」
「…ちょっと待て。俺、彼とそんな年変わんないんだけど、何この扱いの違い」
オタベックの巧みな返しに感心する一方で、あからさまに態度を変えている学友に不満を漏らす。
「だってお前、全然フレッシュさがないもの。日本人のくせに妙に老け込んでるトコあるし」
「はぁ!?」
「…ぷっ!」
心外だとばかりに声を上げる守道のすぐ傍で、オタベックはつい吹き出してしまう。
「コラ、」
「失礼。でも…」
こらえ切れずに忍び笑いを繰り返すオタベックを見て、守道は苦笑する一方で、ユーリや純の前では見せない彼の無防備な表情を、不覚にもほんの少しだけ可愛らしいと思っていた。

メンバーが揃った後、オタベックはフィルムカメラ初心者という事で、一番最初に備品のカメラの中から使いたいものを選ぶ権利を得た。
テーブルの上に並ぶ様々なフィルムカメラを一瞥すると、やがてオタベックはそこから1つ気に入ったものを手に取る。
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