第9章 エビフライに限らず転生してから洋食が恋しいです
「イテテっ………」
「その怪我はどうしたの?」
とある日、陸士士官学校へが登校すると顔がアザだらけの大和がいた。
「昨日、佐藤達とメシ食いに途中で街灯に登って歌ってるおかしな男がいたから注意したんだけどよ。
そいつ突然佐藤を殴ってきて止めようとしたんだが歯が立たなくて。
結局10人がかりで取り押さえようとしたんだが全然ダメだった」
「それは凄いね」
大和の話にはその暴れた男は牛山のような男かな?と不敗の牛山と呼ばれている刺青の囚人の男を想像した。
「結局その男はどうしたの?」
「なんか菊田軍曹がメシで大人しくさせて連れて行った」
「お腹空いてて気が立ってたのかな?」
「みたいだな。
あんなに暴れてたのが嘘みたいに大人しくなったからな」
喋るとその男に殴られた時に切った口端が痛いのか大和は指先で口端を押さえる。
「でも佐藤達と遊びに行くって珍しいね」
がそう言うと大和はあーとかうーんとか言いながらバツが悪そうに頭をかいた。
「近所の女学校の生徒と交流を兼ねてメシを食いに行こうかと思ってだな…………」
「なるほどねぇ」
「な、なんだよその目は………」
ニヤニヤ笑いながら大和を見る。
(大和も女の子が気になるお年頃になったか………。
何だか可愛がってた親戚の子が大きくなったのを喜ぶおばちゃんってこういう気分なんだろうな)
はそう思いながら大和をニヤニヤ笑いながら見続けた。
「ゆ、勇作は気になる女子とかいないのかよ?」
からニヤニヤ笑いながら見つめられるのが嫌だった大和が話題を変える。