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イケメン戦国 ~天下人の妹になる気はないか~

第9章 おべんきょ


そして雪月を抱っこし、政宗を引き摺ったたままの信長がやって来たのは秀吉の部屋。

「猿、入るぞ」

と言いながら襖を開け放ち、政宗を部屋の中へ放り込んだ。流石は唯我独尊の魔王様。他人のご都合お構い無し。

「の、信長様?!って政宗に雪月?!」
「痛ってぇ...信長様、何するんですか」
「貴様らに相談することがある」
「何で御座いましょうか?」
「雪月の勉学についてだ」

信長は二人に、雪月が文字を読めないということが発覚する切欠となった先程のやり取りを話した。

「確かに、文字が読めないのであれば何かと不便ですし...」
「文字が読めるようになれば、雪月だって暇潰しの幅が増える」
「では貴様らに問う。誰が教えるのが適任であると思う?」

信長の質問に、政宗と秀吉は固まった。

「俺が教えます」
「秀吉、お前絶対雪月に無理させようとしないで休憩ばっかさせるだろ...俺がやる」
「政宗、貴様は雪月に甘味ばかり食わせて勉学が捗らなくなるであろう...俺が教える」
「信長様は、雪月を唆して脱走する危険性があるので却下です」
「「「......」」」
「じゃぁ、今ここに居ない面子に任せるのか?」
「家康は...まず雪月が近寄ろうともしないしな...」
「光秀もまだ雪月が警戒を解いとらん」

3人は頭を悩ませたが...

「秀吉様、頼まれていた資料をお持ちいたしました」

入ってきたのは三成。

「「「あ」」」

3人の声がハモった。

「...無難に三成か?」
「雪月もそこまで警戒してるわけではない...」
「脱走や甘やかしの危険性もない...」
「「「...適任、だな」」」
「「?」」

話の流れがよくわかってない三成と雪月は首を傾げた。






「...成る程、そういう事ですか」

信長達からことのあらましを聞いた三成は納得したような声をだした。

「私で良ければ、お手伝い致します。宜しくお願い致しますね、雪月様」
「...」
「雪月?」

雪月は信長の羽織をぎゅっと掴んだまま三成を凝視している。まだ半信半疑なのかもしれない。
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