第16章 世間は狭い
「紅郎くんがいてくれてるしね」
「お互い様だろ。俺もあやがいてくれてるからこうしてるわけだしな」
「うん」
あやが身体を洗い終えて、湯舟に入ってくるとそのまま引き寄せて抱き締めた。華奢な身体、でかい胸、白くて柔らかい素肌。いつ見てもエロい。
「ん…っ、紅郎くん?」
「ん?」
「手、動いてるよ…?」
「据え膳食わぬは男の恥って言うだろ?」
「今思いついたでしょ」
そりゃ惚れた女の裸なんていつ見ても興奮するに決まっているだろう。無意識に尻を両手で撫で回していた。触り心地がよくてたまらないのだ。それに戸惑いながらもあやの身体はちゃんと反応してくれている。
「や、ここはいや、んっ…」
「何度もしてんだろ?」
涙目で顔を赤くして、俺の手に反応して身体を震わせてるのに首を振って場所の移動を求めるあやに俺は首を傾げた。風呂ではこれまで何度もしているのに、頑なに嫌だと首を振るのは珍しかったからだ。
「や、なのは…っ、やぁっ」
あやが嫌がるようなことはこれまでやった覚えはないんだが、何かあったか?
そんなあやを見ても愛撫がやめられなかったのは、嫌がりつつも蕩けそうになっているあやを見ていたかったからだ。
「あ、やあぁっ、んぅっ」
「何が嫌なんだよ? これまでだってここでしてたろ?」
「あ、んっ…はずかしぃ…」
「ん?」
「おさけ…」
酒、そういや、随分前に飲み屋で酔ったあやを持ち帰って風呂でそのままやったことがある。
「そんなの気にしなくてもいいぞ」
「ふぁっ、あぁっ」
「これからもずっとこのまま俺に独り占めさせてくれよ」
興奮してしまっている自身をあやの中に突っ込むと、中は締め付け、あやの顔は涙を浮かべつつも、蕩けている。
「あや、腹いっぱいにしてやるよ」
腰を片腕で抱き、耳元に囁きながら、片手で身体のラインを撫でてやれば、あやはまた一層と蕩けていった。
「あぁっ、やぁっ、んんぅっ」
「っはぁ…あやの中、気持ちいいな…っ」
「はぁんっ、や、あぁっ」
「あ、締まったな。感じてくれてんだな、嬉しい」
あやがいってしまうと、俺もあやの中に出していってしまった。