第14章 不意打ち
「あ、ふぁ…」
「あや…」
「ひぁ、あ、んっ」
「もう濡れてるな…」
足を開かれて、間に身体を滑り込ませてきた。見上げれば、鍛え続けられている大きな身体、色気のあるギラついて自分にだけ向けられる瞳があった。
昔は、手が届かないと思っていたのに……
「どうした? どっか辛かったか?」
「ううん…手が届くのが嬉しいなって思って…」
今は手を伸ばしたらこうして握ってくれる。それがとても嬉しくて、幸せで、仕方なかった。
「いつでも握ってやるから安心しな」
そう言って優しいキスをされて幸せな気分に浸っていると、下半身に刺激が走った。いつもなら指で馴らされてから入れられるものがいきなり入ってきたのだ。
「悪ぃ…あやがあんまりにも色っぽくて我慢できねぇ…」
「はぁ、あ、あんっ」
「やべぇな…あやの中、すげぇ気持ちいい…」
中にゆっくりと入ってくる紅郎くん、いつも一瞬で入れてくるのに今に限ってゆっくりと侵入してくる。それになんだかゾクゾクして気持ちいいともどかしいが混ざる感じがした。
「んぁ、あっ、んぅっ」
「ん…たまにはゆっくり入れるのも悪くねぇな」
「あぁ、んぅっ」
「感じっぱなしのあやが堪能できるな」
なんか今日の紅郎くんはいつもと違う。いつもよりゆっくりと味わうような感じでくるから、いつも激しいので慣れてるからもどかしさと紅郎くんを求めたい気持ちがより強くなる。
「はぁ…っ、くろく…まだぁ…?」
「あと半分な? 辛いか?」
「ううん…はやくいっぱいほしぃ…」
「何が欲しいんだ?」
頬を優しく撫でられながら聞かれたけど、絶対わかってやってると思う。もしわかってなかったら逆に申し訳ないけど…
「ぜんぶ、くろくんのぜんぶいっぱい…」
「……」
「ほしぃの…ほしくてあついの…」
紅郎くんを抱き寄せるみたいに腕を伸ばして背中に腕を回した。首元が見えたからキスをいっぱいした。
「ほんと適わねぇな、もう止まれないからな…」
「ひゃあっ、あぁっ、あぁぁんっ」
腰を掴まれて、残りの半分を一気に入れられて、求めていたもので中を貫かれた。いつも以上に激しくて、気持ちよすぎて、何度もいった。
「はぁんっ、あっ、あんっ、」
何度も中に注がれた。何度目かわからなくなって、最後に優しく抱き締められた。