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ゆるやかな速度で

第12章 10.休暇


「今日、意外と暑かったなぁ…一気に飲み干してしもうたわ」
「私も…。こんなに喉が渇いてるだなんて思ってなかったから驚いちゃった。白石くんありがとう。ご馳走です」

私がそう言って頭を下げると、白石くんは『【名前】は律義やね』と言い笑う。
そして、ふと表情が笑顔から真剣な眼差しへと変化するので、私はどうかしたのだろうかと身構えてしまう。

「これから夏みたいに思うような暑い日も来ると思うんよ。暑いと具合とかも悪くなりやすいし、【名前】にとっては今後部活でのことは初めての事ばかりでえらいこともあるかと思うけど、困ったことあれば絶対に誰かに頼るんやで?約束やからな?」

でも白石くんから言われた言葉は私の予想外の言葉で少し反応に遅れてしまう。
それによって白石くんから少しだけ困った表情で『誰でもええから絶対いうて欲しいんよ』と念押しされてしまう。
それにたいして私は慌てて返事を返す。

「約束します」
「絶対やからな?【名前】は頼るのほんまに苦手そうやし、倒れられたりしそうで心配なんよ」
「そ…そんなことは」
「ないって言いきれる?ほな、もし約束破ったら…うーん、なんか罰ゲームでも考えとこうか」
「え!」

そう言っていたずらっ子みたいな表情で笑う白石くんがいて、私は更に驚いてしまう。
そんな表情の彼を見たのは初めてで、白石くんの新しい一面を見れたことは嬉しく思ったけれど、罰ゲームは怖いので、なるべく具合が悪くならないと良いなと自身の体調が悪化しないことを祈るしかなかったのだった――。


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