第1章 星屑の光
「あ、あの!私でよければ、ダンス?みますよ!ちゃんとした意見が言えるかわからないですけど…。オレンジジュースもらっちゃいましたし!」
星谷「やったー!ありがとう!俺は星谷ゆうた、よろしく!」
そう言って差し出された手を握り返す。
「私はです。よろしくお願いします。」
月皇「悪いが星谷は1度決めたら突き通すからな、よろしく頼む。俺は月皇海斗だ。」
那雪「ふふふ。星谷君嬉しそう。ありがとう。僕は那雪透だよ、よろしくね」
空閑「空閑愁だ。」
「よ、よろしくお願いします!」
?「おいおい、俺がいないのになにしよおってんだ?この天花寺翔様がいなくちゃなにも始められないだろう!」
そう言ってどこからか出てきた赤髪の男の子はドヤ顔を決めている。
月皇「もう、突っ込むのもめんどくさい…」
天花寺「なんだと!」
月皇君と天花寺君がにらみあっているのをわたわたと止めようとしていると
空閑「時間ねぇからとりあえず始めるぞ」
空閑君の一言でみんながそうだな、と公園の中に入っていく。
星谷「じゃあ行こう!」
そう言って星谷君は私の手をとってブランコのほうへ引っ張っていく。
エスコートと呼ぶには乱雑だけれど星谷君に手を引かれながら
私は何かの始まりを予感していた。
私をブランコに座らせると
5人がその前に立ちそれぞれのポジションに立つ。
空閑君が手を伸ばしてギリギリ届くあたりにあったスピーカー付きウォークマンのスイッチを押す。
想像とは裏腹に今流行りのj-popやダンスと聞いてイメージしたラップのような曲ではなく
ミュージカルに出てくるような曲が始まる。
…………………
わからない
何がすごいのかわからない
それでも何かに心を動かされた
感動した、引き込まれた
彼らが終わりのポーズを決めたとき
私は無意識に立ち上がり拍手していた。
「す、すごいよ!何がって説明できないけど
でもほんとに感動した!」
5人は驚いたように顔を見合わせてから
照れて笑ったり、当たり前だとドヤ顔したりしていた
ふと、空閑君がこちらを向いてフッと笑う
空閑「初めてのスタンディングオベーションだ」