第1章 恋の始まり
舞「私は五百年ぐらい後の......未来から来た人間なんです!」
信長、三成「............」
信長「ますます面白い。これほどの大たわけ、初めて会った」
三成「火事に巻き込まれて怖い思いをしたせいでしょうか。おいたわしい...」
(う......全然信じてない!当然化もしれないけど)
舞「私は本当に五百年先の時代から...っ」
三成「どうか落ち着いてください、舞様。まずはお召し物の替えを配下の者に用意させますね。煤(すす)で汚れてしまっています」
(あ、本当だ。気づいてなかった...)
着ているシャツはあちこち黒くなり、スカートの裾が焦げている。
三成「身なりを整えれば、お気持ちも落ち着くはずですよ」
舞「あ、ありがとうございます...」
頭を下げた私の手を、三成さんがそっと握った。
三成「では、さっそくお召替えをいたしましょう、舞様」
着替えを終え天幕を出て、三成さんにお寺のそばに急きょつくられた陣営へと案内された。
三成「こちらでお待ちください。今、白湯(さゆ)をお持ちしますね」
三成さんが出ていき、織田信長と二人きりになる。
信長「なかなか見られるようになったな」
(褒めてるつもりなのかな...?)
じろりと見つめられ居心地が悪くて、幕の外へと目を向ける。
三成さんの配下の武士たちが火を消し止めたらしく、煙は収まっていた。
(よかった...)
ほっと息をついた時、天幕へひとりの男性が静かに入ってきた。
???「御館様、ご無事でしたか」
信長「光秀...?」
(光秀って、まさか明智光秀!?信長を裏切って謀反を起こした張本人の...?)
光秀「敵に狙われていると聞き、馳せ参じましたが...慌てる必要はなかったようですね」
信長「笑わせる。これまでに貴様が慌てたことなど一度たりともないだろう」
呆然と二人に見入っていると、また天幕をかき分け、一人の人が駆け込んできた。
???「信長様!お怪我は!?」
信長「秀吉か。大事ない、賊は取り逃がしたがな」
秀吉「そうでしたか...」
舞「今度は......豊臣秀吉!?」
秀吉「......何者だ、お前?俺を知ってるのか」