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乱世の華

第1章 恋の始まり


秀吉さんが女性たちの歓声を背に、苦笑を浮かべて側へやってくる。

政宗「そういえば家康が笑ってるとこはあまり見ないな。
お前、普段どんな顔で笑うんだ?」

家康「どうでもいいでしょう、そんなこと」

秀吉「お前なー、そういうの良くないぞ。人生損するからたまには笑ってみろ」

政宗「俺も手伝ってやる」

家康「っ......やめてください、本気で迷惑です」

くすぐろうとする秀吉さんと政宗さんの腕を、家康さんが顔をしかめて振り払う。

(この人たちって......意外と仲良し?)

ぽかんとする私を見て、三成さんが静かに告げた。

三成「家康様は、政宗様と同じく信長様と同盟を組まれていて...信長様暗殺の報を受け、駆けつけてくださっているのです」

舞「そ、それで名だたる武将が勢ぞろいしてるんですね」

三成「では皆様方、再会を喜ぶのはご休憩してからになさいませんか?」

家康「......言葉は正しく使え、三成。俺は微塵(みじん)も喜んでない」

三成「あ...すみません、ともかく立ち話はこの辺にいたしましょう。
お部屋をご用意しました。ゆっくりお休みになられてください」

断る間もなく三成さんに背を押され、私は安土城へと足を踏み入れた...。



















一方その頃、安土の城下町では...。

幸「......思ってた以上に賑わってるな」

幸(ゆき)と呼ばれた男が道の端で辺りを見回していた。

幸「にしても佐助のヤツどこ行ったんだ?昨日から顔見てねーけど......まあいいか」

男は息をつくと、安土城の天守を、怒りを宿した光る瞳でにらみあげた。

幸「首洗って待ってろよ、信長」



















安土城に中に足を踏み入れた私は、三成さんに居心地のいい部屋へと案内された。

三成「お気に召していただけると嬉しいのですが...。どうぞご自由にお使いください」

舞「ありがとうございます、三成さん」

三成「どうか私のことは『三成』と。敬語もおやめくださいね」

舞「えっ、でも...」

三成「お願いします、舞様」

舞「わ、わかったよ。でも呼び捨てはさすがに申し訳ないから...三成くんって呼ぶね」

(この笑顔で押されると断りにくい...)



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