第2章 犬の後悔
『お疲れでした。お先に失礼します!』
『早いな長太郎。何か用事か?』
『はい、はーちゃん…いや、高橋さんと約束してて!』
『高橋と?……そうか、気をつけて帰れよ。』
『はい!ありがとうございます。宍戸さんもお気をつけて!』
『おう。』
『宍戸?どないしたん?』
『あいつ高橋の気持ちに気づいてないんだよな…どんだけ鈍感なんだ。高橋なんて結城の髪型とか真似してるの丸わかりなのに…。』
『あぁ…確かに似てるなぁ。俺は遥ちゃんの方が気ぃ強そうな顔しとって好みやけどなぁ。』
『長太郎に聞かれたら怒られるぞ。』
『でも鳳は遥ちゃんのこと好きなわけちゃうんやろ?』
『まぁ、確かに。』
『せやけど遥ちゃんも鳳が振られたことでなにかしらアクション起こすんちゃう?』
『どうだかなぁ。高橋って案外強情なやつみたいだからなぁ。』
『まっ、俺は女の子の味方やから応援してるけどな。』