第1章 猫の悩み
『あ、真理亜さんだ。』
今日も不毛な犬は絶対に振り向かない女王様に夢中である。
そして不毛な犬は可愛い後輩扱いされ、尻尾を垂らしてとぼとぼと私のもとへやってきた
『今日も相手にされてないね。カワイソウナオオトリクン。』
『後半に心が篭ってない。』
『込めてないからねぇ。』
『酷い…こんなに傷付いてるのに。』
『ワーカワイソウ。』
『もういい…はーちゃんなんか嫌いだ。』
『はいはい、ごめんって。やり過ぎました。パンかなにか買ってあげるから機嫌直してー。』
『まだ棒読みだからヤダ。』
『(めんどくさ笑)はぁー。』
立ち上がるといつものように髪をくしゃくしゃにして頭を撫でた
『落ち着く。』
『犬(笑)』
『ふふっ。』
『元気でたじゃん。』
『ありがと。はーちゃん俺やっぱ真理亜さんに言うよ。』
『……………そ。』
『勝算ないのにって思ったでしょ?』
『いや、慰めるセリフ考えてた。』
『はーちゃんらしいね。』
『砕けてくるといいよ。』
『うん。』
晴れやかな顔してんじゃないよ
バカ
私も
バーカ