第4章 犬のきもち
『また明日って言ってたのにな。』
帰り道独り言を呟きながら
俺は昨日を反芻していた
ここのところ色んな事がありすぎて
頭がオーバーヒートしそうだ
それなのに不思議とテニスの調子だけは良くて
なんだか拍子抜けする
多分テニスをしている時だけは忘れられるからなんだろうな
『はーちゃん、今なにしてるのかな…。』
携帯を手にとっても今はかけられた身分じゃないし
苦しい
相手が大事すぎて身動きが取れないなんて
今までなかったから
どうしていいかわからない
とにかく明日は自分から
はーちゃんに会いに行ってみよう