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【戦国BASARA】*月夜の盃 2*【R18】

第1章 再会の意味




──政宗殿の気持ちは、分かっているつもりだ。

でも守られているだけなんて嫌なのだ。

政宗殿が私を特別だと言ってくれたとしても、私は忍。

主君のために仕え、戦い、その果てに死があったとしても、それを避けるわけにはいかない。


「政宗殿! いるか!」


広間の襖を思いっきり開けると、立ち尽くしている政宗殿がいた。


────っ


「・・・・なんだ、まだいやがったのか。諦めて帰んな」


振り向いた政宗殿はそう言ったが、私は見逃さなかった。

振り向いたとき、一瞬見せた政宗殿の表情は、喪失感に苛まれていたのだ。

すぐに険しい表情に戻しても、その裏に隠れた寂しさやもどかしさは消えていない。

そしてその手には、竹中半兵衛に拐われたとき片倉殿が落としていった刀・黒龍が握られている。


「・・・政宗殿・・・」

「聞こえねぇのか! 甲斐に帰れっつってんだ!」


・・・こんな政宗殿を、置いて帰れるわけないだろう。

片倉殿が拐われて、一番喪失感を味わっているのは政宗殿なのだ。


「・・・政宗殿。片倉殿がいないのはそんなに堪えるか?」

「・・・・・テメェ俺を怒らせてぇのか?」

「なんと言われようと、私は帰らぬ。ここにいる」

「お前の顔はもう見たくねぇ。さっさと消えな」


悪態はきっと全て、政宗殿の不安の表れだ。

この背に多くのものを背負いすぎている。

一緒に背負ってくれていた片倉殿がいなくて、不安でないはずがない。


──大丈夫だ、政宗殿。

私はそばにいる。


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