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【戦国BASARA】*月夜の盃 2*【R18】

第1章 再会の意味




──────



「・・・と、いうわけだ。政宗殿、片倉殿。またしばらく奥州で世話になる。異論があるようならお館様に言ってくれ」


片倉殿も呼んで、再度広間に腰を据えた。

ここへ来た理由は勿論そのとおりには説明できず、いろいろと脚色したが。

片倉殿は特に賛成も反対もせずに私の言い分を聞いている。


「政宗様も俺も、今更紫乃が同行することに反対したりはしねぇ。お前ぇのことは信用してるつもりだ。・・・甲斐の虎は、また敵を近隣諸国で囲もうとしてるのか?」

「・・・いや、まだそこまでの算段は立っていない。雲を掴むような話だ」


幸村様に与えられたお役目が果たされれば、九州や瀬戸内とともにまた豊臣を囲み伐つこともできるだろう。

しかし、幸村様はまだ先日出立されたばかり。

とても囲み伐ちをするような段階ではない。


「・・・でもまた、政宗殿は囲み伐ちに力を貸す気などないのだろう?」

「まあな。俺は誰とも手は組まねぇよ」

「・・・だろうな。でも潜伏侵略とやらが仕掛けられている今は、お前は大阪に行くべきではない。悪いが見張らせてもらう」

「OK.そりゃ退屈しねぇですみそうだぜ」


前、ここへ同じことを言いに来たときより、なんともすんなりと許可が出た。

・・・信用されているのだろうか。


──話は終わり広間を後にする。

見慣れた奥州の城の中を、あてもなく歩き回った。

潜伏している兵はいないか、見ない顔の兵を探してみるが、あれから領土を広げたせいか新顔は多くいた。

・・でも懐かしい。

見知った顔の兵たちは、奥州へ来た私に声をかけてくれる。
やはり奥州は居心地がいい。

政宗殿に会えたことだけじゃなくて、こうして皆と再会できたことを思うと、お館様の任務をお受けして良かったとも思うのだ。

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