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【戦国BASARA】*月夜の盃*【R18】

第2章 伊達の流儀




「・・・紫乃?どうしたのだ?」

「・・・私は、何もできませんでした」


独眼竜を誘導し、ときには退かせること。

それが私に与えられた使命だったのに。

あの状況で、徳川と浅井の動きに予測がたてられたのは私だけだったはずだ。

武田、伊達、どちらの情報も入ってきていた私なら、鉄砲隊が独眼竜に向けられることなど、よく考えれば分かっていたこと。

それなのに、止められなかった。


「お館様に顔向けできません。私はただ独眼竜に着いていっただけで、本来の役目は何一つ果たせなかった。・・・そしてこのように、独眼竜に怪我を負わせてしまった。こうならないように、私が送られていたのに」

「紫乃・・・。」


どうして幸村様の前では、こうして弱音を吐いてしまうのだろう。

慰めてくれるからといって、いつまでも甘えていては駄目なのに。


「某は、あの種子島の中、紫乃が無事で甲斐に帰られたことだけで十分でござる。伊達殿のことも、強靭な武人であられるゆえ気に病む必要はござらぬ」

「幸村様・・・。」

「・・・それに某は、まだ少しばかり、伊達殿の療養が続けばいいと・・・さすれば紫乃は、まだ甲斐に・・・」

「幸村様?」

「あっ、いや、何でもござらぬ!」


今日の幸村様はよく顔を赤くする。


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