《モブサイ》サギ師のあなたに脱がされて (霊幻/R18)
第3章 アロマオイルに溶かされて
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「……師匠? 師匠? あれ? トイレにもいない。出掛けてるのかな?」
部屋の外からモブくんの声が聞こえ、私たちは飛び起きた。
「「あ……!!」」
顔を見合わせた瞬間、さっきまでの濃厚な情事が蘇る。恥ずかしくなって私も霊幻さんも同時に顔をそらした。
「悪いな、ゆめ。寝ちまった……」
「いえ、私のほうこそ……」
私も霊幻さんもベッドのシーツもオイルまみれ。床には彼の服が散らばっている。私は慌ててタオルで身体を拭いた。
「師匠? こっちの部屋ですか?」
ガチャガチャとドアノブが上下する。
「おおい! 待て、モブ! 鍵かかってるからな! 今、除霊してるから入ってくんなよ! デッケェ悪霊、溶かしてるから!!」
ベッドからシーツを剥がし、オイルまみれになった服と一緒にカゴに放り込む霊幻さん。私も大慌てで自分の服を着る。
「悪霊? でも、霊の気配はしていないですけど……」
「ああ! ちょうど溶かし終わったところだ! 悪霊はオゾン層にかえした! 死闘のせいで部屋がエグいことになってるからな! 片付けてるから入ってくんなよ!」
「はぁ……。オゾン層にかえすの意味がよくわからないですけど……」
「細かいことはいいから!」
霊幻さんはバタバタと部屋を片付け、壁にかかったバスローブを羽織った。
「よし、もういいな? ゆめも準備できたな? 鍵を開けるぞ?」
小さな声で囁かれ、私は霊幻さんにうしろから抱きついた。
「霊幻さん、最後にもう一度だけ……」
背伸びをして霊幻さんに口づける。
「ったく、おまえは……」
ドアノブから手を離した霊幻さんに抱きしめられる。
大好き、霊幻さん。もう心配なんてしていない。だって、私のこと想ってくれているのがわかったから。これからももっといっぱいいっぱい愛し合おうね、霊幻さん。
「師匠? まだですか? お客さん来ましたけど、どうすれば……」
モブくんの焦ったような声。
それでもまだキスは終わらない。私たちは何度も甘い唇を重ね合った。
―END―