第1章 パーティー
私がそう言うと、セバスチャンは目を見開いた。
「もう夜ですよ?夜道は危ないです。」
「で、ですが…これ以上…迷惑をかけるわけには…。」
「坊ちゃんが、あなた様を今日一晩泊めるように。と言っておりました。お部屋にご案内いたします。」
「で、ですが…。」
「…」
「…!」
セバスチャンの視線の先には、私の腕。紫色の痣などが、あらわになっている。
私は腕を背中に隠した。
「…よく、見せてもらえますか?」
「!…」
真っ赤な瞳がこちらを見つめている。本当に吸い込まれそうだった。
そのあと、連れて行かれたのが、本棚などがたくさんある部屋。ベッドもあり、とても綺麗な部屋だった。
ここが私が一晩泊まる部屋かと思った。でも、ここは客室のようだった。
「あ、あの…。」
「ここに座ってください。」
「え…。」
「…」
セバスチャンは何も言わなかった。私は指示された場所に座った。ふかふかのソファーだった。すると、セバスチャンは私の前に跪き、私の腕を確認した。
「!…」
「…これは、誰にやられたものですか?」
「あ…あの…。」
「…?」
「け、敬語じゃなくていいです…。敬語は…使われたことがないので…その…なんていうか…変な感じがして…。」
「…わかった。じゃあ、2人の時は敬語は無しで。ただし、ナツキも、ですよ?」
「!…」
ドキリとした。この人は声までイケメンだ。と思った。