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お気に入り 【黒執事】

第1章 パーティー


姉はぶつぶつと文句を言い始めた。


「ち、違います…そんなこと…。」

「だからそういうのがいらないの!!」

「!…」

『え…何…?』

『もめごと?』

「あ…あの…お姉様…ここでは…あの…。」

「うるさいわね!!」


姉の怒りは収まらなかった。伯爵もこちらの騒動に気づいていた。


「お、お姉様…。」

「っ…!うるさい!!」


私の頭からワインをかけた姉。


「っ…。」


床が汚れる。真っ白なドレスは紫色に変わっていった。パーティーに来ていた人達は悲鳴をあげたり、唖然としたりしていた。


「っぁ…。」

「…!」


姉は自分のしたことにやって気づいたのか、青ざめている。

ファントムハイヴ邸で、しかもパーティーの最中に、こんなにも注目を浴びた。

ヘンリー社は落ちるだろう。


「…」(ワイン臭い…。)

「大丈夫ですか?」

「!…」


いつの間にか近くにいたファントムハイヴ伯爵。


「ぁ…だ、大丈夫です…。」

「お部屋に案内いたしますので、そこでシャワーを浴びてください。」

「え…あ…ありがとうございます…。」

「いえ。セバスチャン。」

「はい。それでは、ご案内いたします。」


私はセバスチャンに付いていった。そのあと、ファントムハイヴ伯爵がパーティーをお開きにしたらしい。姉はそのまま屋敷に帰された。

部屋に行き、シャワーを浴びると、着替えが置いてあった。ドレスではなく、白いネグリジェだった。
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