第4章 少しの間
「…冗談だよ。ん~、じゃあ…。」
と、また話し始めた。
「プハッ!ヒヒヒッ!!随分面白い話だねぇ…!」
「もういい?」
「うん。それで、誰について調べてほしいんだい?」
「セバスチャン。」
「あの執事君のこと…かい…?」
「知ってることを教えてほしい。彼は何者?」
「悪魔。」
「!…」
「彼は悪魔だよ。だからなんだってできる。」
ロウソクの火が生温い風が吹き、消えた。
「…」
「彼に敵うのは…そうだねぇ…死神くらいだと思うよぉ~?」
「……そっか…。」(だからあんなに…。)
アンダーテイカーはロウソクの火をつけた。
「ありがと。もう帰るね。」
「もう行っちゃうのかい?」
「うん。なんか、シエルの機嫌が悪かったから。」
「そうかいそうかい。でも、小生は退屈してるんだよねぇ…。」
つまり、もう少しここにいろ。という意味らしい。
「…でも、私がここにいても何も変わらないと思うよ?」
「いてくれるだけでも全然違うんだよ。」
「…そっか。」
そう呟き、私は近くにあったソファーに座った。
「……少しだけ…寝てもいい…?」
「あぁ、好きにするといいよ。」
私はソファーに寝転んだ。ウトウトしてきた。
そして、いつの間にか眠ってしまった。
「いつか、思い出してくれるのかなぁ?ねぇ、ナツキ。」
アンダーテイカーが私の髪に触れ、そう言ったことに、気づく人は誰もいなかった。