第1章 時空を超えて
瑞希「っ......」
指先が離れても、私の胸は騒いだままだった。
土方「...........」
ケイキさんを見上げる土方さんが、小さく首を傾げる。
龍馬「...........」
そしてわずかに頬を染めた私に視線を送り、龍馬さんがどこか不機嫌そうに眉を寄せた。
その時、どこからか引き戸をあけるガラガラという音が響いてくる。
朝陽が、店の中に差し込んでいた。
(あ...)
風が吹きのれんを揺らすと、私は振り返り顔を上げる。
三人の姿を見つめると、胸の奥がざわめくのが分かる。
(なんだろう、この感覚......)
考えているとやがて、土方さんが口を開く。
土方「あー...朝飯でも食うかな」
瑞希「あ......」
土方さんの言葉にはっと目を瞬かせると、龍馬さんが私の頭を軽く小突いた。
龍馬「腹減ってんだ。呆けてないで注文とれよ」
机に腰かけたケイキさんが、その様子に笑みをこぼしている。
ケイキ「朝から忙しいようだな、瑞希」
三人の視線をいっぺんに受け止めると、私の鼓動が一際大きく跳ねた。
瑞希「はい、すぐに用意します!」
食事処『四季』での生活が始まり、私は新たに出会うことになる...。
そして...。
『龍馬「これ以上首を突っ込むな。このままだと、お前を巻き込むことになる。......それくらい、分かれよな」』