第5章 どうしてこうなった!?
真紅をうちに呼ぶことになるとは思っていなかった。
いや、俺の部屋は殺風景と言っていいほどに何もないし、うちは誰もいないしで、あいつを呼べない要素はない。
ただ、あいつがいると俺の喉がヒリヒリすることを除いて。
玄関の鍵を開け、真紅を中へ通す。
「おじゃましまーす!……ん?」
真紅がスンと鼻を鳴らす。
「どうした?」
「いや、……くしゃみがでそうなだけだよ。大丈夫大丈夫」
少し間があるのが気になるが、まあいいか。
「うちは客間がないからな……俺の部屋でいいか?」
「もちろん!誰かのお部屋にお邪魔するのは初めてだなぁ」
俺も誰かを俺の部屋に案内するのは初めてだ。
俺の部屋のドアを開けて、真紅を中へ入れる。
「すまん、椅子がないからベッドにでも座ってくれ」
部屋にはベッドと本棚しかない。勉強は居間でするからデスクや椅子はない。
「シンプルな部屋だね。そして気持ちよさそうなベッドだ~」
ボスッと真紅が俺のベッドに寝転がる。
「ん~いいにおい~……あっ!ごめん!勝手にねちゃった!」
こいつはどうやらなかなかの天然らしい。
「で、俺に話ってなんだ?」
ちまっとベッドに腰掛けた真紅の隣に座って訊く。
「あ、あのね……お願いがあって……」
お願い?
「おっ、驚かずに聞いてほしいんだ……と言っても信じてもらえないかもしれないけど……」
「なんだ?」