• テキストサイズ

【イケメン戦国】月の兎は冬に焦がれる

第16章 弁論主義









──────────





「ほう、では魔王も姿を見せるか。

面白くなる」


「謙信様、全く面白がっている場合じゃないですよ」




冷静なツッコミを受けても尚、謙信が楽しげに微笑む。
平常運転だな、と佐助も慣れたもので、馬に揺られズレた眼鏡のフレームを押し上げた。
あと少しで、京…


透き通るほど真っ青に晴れ渡っている秋空を見上げ、似つかわしくないほど重苦しい溜息をつく…



「女同士の下らん喧嘩、では終わらなさそうだ」



謙信が小さく呟いた一言に、掻い摘んだ説明でも何となく事の重大さは伝わっているらしい、と安堵して。
聡明な主に遅れを取っては、何を言われるか分からない…
また馬の尻に、鞭を入れる。


そして、ざわり、と空気が揺らぐような雰囲気と。
まとわりつく様な湿気に、思わず顔を顰めたのだった。









/ 258ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp