Rein Carnation《進撃の巨人/ライナー》
第8章 Desire
「はいはい失礼しますよ、はいマネージャー、一個ズレてください」
雰囲気をぶち壊すようにライナーが結衣とエルヴィンの間に割って入り、エルヴィンは渋々席をライナーに譲った。
だがエルヴィンはそのまま席につかず、品物を受け取ってライナーにお金を渡した。
「マネージャー、ご一緒しないんですか」
「ああ、2人で食べるといい。邪魔者は退散するよ」
「そんな・・・」
そんな寂しげな声を出すな。
勘違いする程もう若くは無いが、少しだけ希望を持ってしまう。
「マネージャー!」
去るエルヴィンの背中に結衣が声を掛ける。
「次はご一緒させてください!」
「・・・ああ、もちろんだよ」
愛想笑いをした。
その言葉は社交辞令だからだ。
「・・・変わらないな」
切ない色味の空の下、エルヴィンは空を見て会社へ足早に戻った。