Rein Carnation《進撃の巨人/ライナー》
第8章 Desire
「ま、マネージャー・・・見られたら大変です・・・」
みるみる赤くなる結衣の顔。
「私はいいよ」
シレッと言ってのけたエルヴィンに驚いた表情をして、止めていた足をまた進め始めた。
「よ、良くないですよ・・・」
「どうしてだ?」
問えば明らかに話を逸らした結衣に肩を竦めて、2人は肩を並べて駅前のハンバーガーショップへ急いだ。
ハンバーガーショップは既に列が出来ていたが、列の初め側には、エルヴィンが今会いたくない人物が並んでいた。
「ブラウンさん!」
結衣は駆け出してライナーに近付く。
エルヴィンは胸が痛くなった。
ライナーと話して事情を説明しているのだろう。
こちらに結衣が手を向ければ、ライナーが明らかに嫌そうな顔で手を上げてきた。
エルヴィンはピクリと顔が少し引き攣るが、落ち着かせて2人に近付いた。
「やあ、ライナー。君もここでランチか?」
「はい、結衣に買って戻ろうかと。マネージャーは知らないと思いますが、ずっとここに来たがってたんですよ、コイツ。な、楽しみにしてたよな」
「うん・・・って、止めてよ・・・マネージャーの前で・・」
マウントが凄い。
“結衣のことは俺の方が知ってる”と言っているのがよく分かる。