第7章 波乱
屋上から出て階段を降りていると、下の階からさつきが駆け上がってくるのが見えた。
「あっ瑠衣!やっと見つけた!教室にいないから探しちゃったよ~」
「ごめんごめん、何か用だった?」
「何か用って…一緒にお昼食べるんでしょ?」
「あー…そういえばそうだね」
「きーちゃんがそう言ってたのに教室にきーちゃんいないし、瑠衣もいないし……もしかして、今まできーちゃんと一緒にいた?」
私は先程の事を頭の隅に追いやり、何事も無かっかのように振る舞うことにした。
「いや、いなかったよ?」
さつきは何も知らなくていい。
私に起こったことも、さつきに起こるかもしれなかったことも、何も知らなくていい。
さつきは可愛いくて明るいままで、変わらないでいてほしいんだ。
「それより、お昼ご飯どうしよう?もうお昼休み半分終わってるしなぁ」
「うん、だから瑠衣には悪いけど、お昼食べないで赤司くんのところ行ってくれる?」
「……へ?」
「…えっと、赤司くんに会いに行ってくれる?」
「……赤司くんのこと忘れてたああぁ!!」
やばい…本当に赤司くんに会わなきゃいけないのか…。
ていうか何で会わなきゃいけないの…。
「そして何で応接室で会うの…」
生徒が勝手に応接室使っちゃダメだろ。
…いや、赤司くんなら大丈夫だ。
もう心臓バクバクでお腹空いてることすら忘れそうだよ。
「すうー…はぁー…」
軽く深呼吸する。
なるべく早く終わりますように…!
私は応接室のドアを開けた。