第28章 【番外編】マツノトクエスト 第二十七話
「? なんだよ、さっきも言ったけど別に裏切った訳じゃ……え?」
「じ、じっとしてて」
いきなり顔近づけられたらそりゃ驚くわな。
けど別にチョロ松の記憶が戻るならもうそれでもいい。
やっとまた再会できたんだ、このチャンスを逃してややこしい事になって呪い解除が遅れるくらいならこの手に出るしかない、と、自分を納得させざるを得ない。
「ナス子、何して……」
「━━━━━━っ、ごめん!!」
彼の頬に手を添えて、無理やり軽く唇を合わせる。
一瞬ピクリと身体を動かしたチョロ松は驚いているのかそれ以外は動こうとはしなかった。
━━━━━━━━━━パァ
【 ナス子 は チョロ松 の 呪いの解除 に成功した! 】
途端チョロ松の股間が緑色の輝きに染まりそんな瞬間も若干慣れてきた私はチョロ松の顔の横に居直り、茫然と天井を見るチョロ松を見下ろす。
「……思い、出した?」
無言のチョロ松に声をかけると、自分の唇に手をあててその後両手で顔を覆ってしまいその顔が確認出来なくなってしまった、乙女か!
「思い、出した……親友で幼馴染で、一応年上だけどどうしようもなく馬鹿で計画性皆無の残念なナス子姉と……クソ兄弟」
「相変わらず口が減らないガキだなゴルァ!」
「口悪っ!! お前こそ相変わらず口悪すぎっ、女の要素なさすぎだから!!」
「い、いいの! 今は私盗賊なんだからっ。 それより、えっと……きゅ、急にその、ごめん……ビックリ、した?」