第25章 【番外編】マツノトクエスト 第二十四話
暫くしてやっと喧嘩の仲裁と言うか、もう一人部屋に入って来て争いが収まる。
私達はまだ布にくるまって隠れているけど、こういう人達に新入りとして自己紹介とか怖すぎるんですけど。
パンくれたりキッチンに向かう盗賊はまだいい方だった。
人数がいればこのような血の気の多いヤツラもいるって事を理解して汗が出る。
おそ松がチラチラと布の少しだけ破れた所から様子を伺っているが、今の所は見つかる気配はないようだった。
「お前ら、そんな事してねぇで準備行くぞ!! はは、二人共ひでぇ面してんなぁ」
「へい、兄貴」
「さーせん! 行きます!!」
盗賊にも縦社会のようなものはあるらしい。
兄貴と呼ばれた男についていき、足音と共に部屋の扉が大きな音を立てて絞められた。
「行ったか……はぁ、この布臭っせーっ」
「ぶっは……やっと大きく息吸えるぅ~。ありがとねおそ松」
「んや、別に。ほんとは隠れる事もなかったんだけどな、変装してるし。なんか咄嗟に隠れちゃったけど……あれは隠れて正解だったかも? 俺に感謝しろよ~?」
「だからお礼言ってるでしょー、あ! そうそう、おそ松見てっ」
「ん?」
さっき枕の下で光っていた物を拾うと、それはさっきトド松が探せと言っていた鍵。
まさか枕の下にそんな物隠してたなんて一体どこの部屋の鍵なんだか。
「マジか、でかしたナス子!」
「へへ、どこで使うかわかんないけどやったね!」
その後、粗方探し終えた一つ目の部屋の床にさっき争っていた二人のどちらかが落として行ったであろう紙切れをおそ松が拾う。
「なんだこれ?」
「ん~?」
「「…………」」
こ、これは……地図?
でも中に書かれているものはカラ松がさっき拾ったものとは少し違う。 というかこの地図……。
「地下、の地図……?」
「もしかして、カラ松の地図はここ一階の地図で、この地図は地下の地図って事か?」
「階段がこっちの端っこに書いてあるって事は、そうかもしれない。しかもこの地図見てる限り地下の方が広いよね?」
そう、二枚目の地図を手に入れた私達。
それはいくつかの部屋と、大きな部屋、そしてその奥にもう一つ小さな部屋が繋がっている。