第18章 【番外編】マツノトクエスト 第十七章
羽交い絞めや麻痺させて口くっつけるよりは私とチョロ松の精神的ダメージも減ると思うんだけどなぁ。
「まぁ、ナス子姉がそれでいいって言うならいいんじゃない? ぼくは邪魔しないように部屋で待ってるからさ! 起こしちゃうと困るしっ」
「なら俺は一度アチラの部屋に戻っておそ松とチョロ松が寝るのを監視していよう」
キュキュっとホワイトボードに描きなおされた文字には、ナス子がチョロ松の寝こみを襲うと書かれていた。
後で消しておこう。
まずはカラ松が部屋に戻り、様子をコチラに知らせてくれるまではトド松と二人の環境になった。
「はぁ~、いいなぁ。やっぱり!!」
「なにが?」
隣のベットで本を取り出しそれを読むトド松は顔は向けないまま私の言葉に応える。
「ん? トド松や、カラ松が私の事思い出してくれた事~! 安心するし嬉しいんだ。ずっと寂しかったから」
最初はニコニコして言っていた言葉だったけど、寂しかったの言葉を出すと、また少しショボくれてしまう。
今は皆の記憶も徐々に戻り嬉しいハズなのに、やっぱり全員そろってない事がまだ寂しいと思ってるのかな。
「………とどまぁつ」
「な~に?」
「お姉ちゃんの事好きぃ~??」
「はぁ?! ナニいきなりこっぱずかしい事聞いてんの?! 酒でも飲んだ?」
不意に聞きたくなって弟に甘えてしまう。
だってさ、嬉しい事には変わりはないから。
「ほれほれ、素直に言うてみぃ? トッティは~、ナス子お姉ちゃんの事がぁ」
「心底ウザイ!」
でたよドライモンスター、ここでは普通にお姉ちゃん大好きとか言ってくれてもよくない?
今の話の流れでウザイと言っちゃうあたり、今のトッティは反抗期なの?!
いつも素直じゃない素直じゃない言ってくるけどトド松だって大概だよね?
スクっとベットから立ち上がり、本を読んでいたトド松の上にダイブする。