第18章 【番外編】マツノトクエスト 第十七章
「「はーい」」
「作戦は要するにこうだ━━━━俺達の誰かがチョロ松を呼び出し一人にする」
「うんうん」
「へぇ、それはいいね。おそ松兄さんいても邪魔だし」
ペンで描かれた下手なイラストと文字を見ながら二人で頷きカラ松先生の授業が続く。
「そしてナス子が現れ、背後から俺がチョロ松を羽交い絞めにして……」
「おい! 結局無理やりするんかーいっ、やだよ!! この世界で知り合ったばっかの仲間に急にキスするなんて!! 出来るなら納得させたい」
「そんな事言ってると効率よくゲーム進まないよ姉さん」
ぐぐぐ、わかってるけど。
でもさ、またカラ松みたいに普通って思われてたらなんかムカつくし、もしかしたら嫌いって思われてるかもしれないし怖いじゃん。
「あ、あれ使ったら?」
「あれ?」
「そう! さっきぼくにも仕掛けてきた麻痺!! 魅了よりは効果あるんじゃない?」
「おお、なるほどっ!! さすがはトド松だな、感心したぜぇ」
なんだろう、もう私の意見は無視でとにかく早くチョロ松の意見なども関係なしに無理やり呪い解いちゃえよ!みたいな流れになってきてるよこれ。
「えーえーえーえー」
「「ワガママ禁止」」
「わ、わかってるよ……記憶の件は私だけの問題でもないし」
…………そういえば、今思ったんだけどアイツら今隣の部屋で二次会してるよね。
そんでもってチョロ松は酒に強くない。
そう考えると放っておけば寝るんじゃないの?
「ねぇ、寝てる間にしちゃうのってアリ?」
言った私に対し、顔を見わせる二人。
だってさ、寝こみ襲っちゃえばって言い方は悪いけど、キスされた事すら気づかない訳じゃん?
だったらその方が効率いいし楽だよね。
「うわぁ、寝こみ襲うの? それってもう聖なる乙女がする事じゃないよねぇ」
「あぁ、引いたぜ」
「お前らなぁ! そっちの作戦よりはこっちのがよくない?!」