第18章 【番外編】マツノトクエスト 第十七章
「いやいやいや、一応っ、ほほ、ほら! 女の子いるでしょ、そこに!」
おそ松とチョロ松が囲んで来ていた為、二人に真顔で見下ろされる。
一瞬真顔、その間の後、大爆笑が起こる。
「「っぷ、ぶふぉ!! だはははははははははははは!!」」
「あ~、やっぱりダメかぁ……」
トド松、やっぱりってなんだ。
結局酔いに酔っ払った二人は部屋へと戻り、カラ松コレクションを勝手に漁り二次会を部屋で行うらしい。
残された部屋には私とカラ松、トド松の3人が残る。
「ふぅ、やっと回復した~。トド松の蹴り技って結構打撃強いんだね、食らってみて感心したわ!」
「ふふん、この世界に来てから色んな事習ったからね!ブレイクダンスの他にも色々なダンス出来るよ?」
「踊り子なだけあってダンスがメインだよね、やっぱり」
カラ松は自分の部屋には帰らず、私達の部屋のソファに腕組みをして腰掛けている。
「なぁ、思ったんだが先ほどの二人が俺に話してくれた事をおそ松とチョロ松にも言ってみた方がいいんじゃないか?」
「んー……カラ松、カラ松はね、チョロイからなんとかなったんだよ」
「え」
「そうそう、カラっぽ兄さんで純粋で馬鹿だからこそ最初に呪いを解こうって話になった訳なんだよねぇ、他の二人はちょっとカラ松兄さんと比べると厄介かなぁ」
カラ松の意見にコチラはあまり乗り気ではない。
下手すると頭のおかしいヤツラだと思われるに違いないのだ。
「でもどうするナス子姉、ターゲットだけは決めておいた方がいいんじゃないの? 一応チャンスがあればどちらでもいいとは思うけどさ」
「いっそ俺が力づくで押えてその隙に唇を奪うと言うのはどうだ? 記憶さえ戻ればキスなんて………」
キスなんてと言いながら、カラ松は顔を赤くしてしまう。
あれは違う、違うんだ。
呪い解除の儀式であり、ただマウストゥマウスをしただけに過ぎない。
けど照れられるとこっちも恥ずかしいので動きがぎこちなくなってしまうのも否めない訳で。