第18章 【番外編】マツノトクエスト 第十七章
ゲーム世界って、便利だよね。
だって好きな時に攻撃出来るし、攻撃されても回復薬食べればすぐ回復するし……。
トド松は容赦なく私にお得意のブレイクダンスを披露し、毒舌で攻め続け、MPまで削ったあげく私を死に近いHPまで追いやった。
その所為で私は今ベットに横たわっている。
「どうだ? そろそろ回復してきたか?」
カラ松が口の中に千切って回復薬を放り込んでくれるのをモシャモシャとヤギのように食べる私。
くそぅ、自業自得とは言えどトド松のヤツやりすぎじゃない?!
「いやぁ、ごめんねぇナス子姉! ほら、いつもはこんな事しないけどここってゲーム世界だからさ、つい、ね? えへへ、でも安心してっ、こんな事しててもぼくは姉さんの事、だ~~~い好きだよ」
「どの口が言うかな……」
「ふふっ、でもおあいこだからね~」
やっぱりこのレベルになると薬草をちまちま食べてるだけじゃ回復が遅い。
もうこのまま寝ちゃおうかなと思った矢先、部屋の扉が開いた。
「たっだいまぁ~!! はぁ、飲んだ飲んだ~っ、人妻とかエロイけど別にもうどうでもいいしぃ~! なぁ、チョロ松ぅ」
「だねぇ、まぁ僕は最初からあの子の事を意識してたとかないからいいけどぉ~……でも最初に言えよなぁ~!! ビックリしてケツ毛燃えるわっ」
あー、嫌なタイミングで帰ってきちゃったよ、煩いのが二人揃って。
「ん? もう寝てんのお前~。夜って言っても早くなぁい?」
「なんせ純潔で聖なる乙女だろぉ? 立ち位置的に考えて健全な生活でもしようとしてんじゃないのぉ~」
「いやいやぁ、コイツに限ってそんな事ないでしょ~! だーっはっはっはっは!!」
ちょっと黙ってて欲しいのだが、そんなのはお構いなしに私のベットに乗り込み私を囲む酔っ払い二人。
トド松に攻撃受けてなければ覚えたてのランダムツッコミを披露してやりたい所だが動けないで薬草を食べ続けている。