第18章 【番外編】マツノトクエスト 第十七章
カラ松とトド松の頭上に暗雲が立ち込める。
何かが起こると期待した私は心を躍らせてそれを見つめた。
「あれぇ?」
しかし何も起こらない。
なんだ失敗かとションボリしてしまいそうになった瞬間━━━━━━
「俺なんか……生まれて来なければ良かったんだ……死にたい、カラ松ガールってなんだよ、意味がわからない。イタイイタイと周りを傷つけてしまう俺の存在なんてこの世では無価値に等しいんだ……」
カラ松が床に突っ伏す。
「ぼくなんでいつもあんなに酷い事を皆に言っちゃうんだろう、馬鹿だよね……いくらウンコな兄さん達でもウンコはウンコなりに役割をこなしてるんだから、それに比べてぼくは黄ばんだパンツにでもなればいいと思うんだ……あぁ、自分ってなんてあざとくて酷いドライモンスターなんだろう」
トド松まで床に突っ伏す。
………こ、これは?
「え、ナニこれ? もしかして闇病のツッコミが炸裂した、の?」
多分そうだ。
どうみても二人は鬱状態に成り代わっている。
ただこれがどこまで効果が続くのかわからず見ているだけしか出来ない。
ちなみに一発放つとスキルPが600もあると言う事で召喚よりはMPが減らなくても数字を考えると結構減る。
あと、5回くらいは使えそうだからイケるけどね。
しかししかし、実に面白い。
それに、他のスキルを覚えるとしてもまだまだ魔王を倒すのにはレベルもいる訳で、他のスキルも徐々に覚えていけばいい訳だし、また新しいスキルやパッシブが現れるかもしれない。
と、するとすぐにレベル上げがしたくなってくる私だ。
あ、でも! スキル屋には行ってみたいなぁ。
「もうダメだ……エイトシャットアウツ……人生どん底フェスティバルだぜ」
「あー、もうヤダ……帰りたい、ナニもしたくない……お洒落とかどーでもいい。そもそもぼくなんてお洒落だったのかすらわかんないし」
「……………」
カラ松はあまり変わらんな。
トド松はめっちゃ面白い、今スマホがあったら動画を撮りたい程には。