第14章 【番外編】マツノトクエスト 第十三章
いや、それでも私はトド松を知っているし幼馴染で弟にキスするのって恥ずかしいんだけど?
でもこれってさっきも思ったけど体自体がここにいる訳でもないし、オンラインゲームでキスしましたとか言うノリも実際現実にはあるし、キスにはカウントされないのかな。
別に恋愛感情のないキスにどうこう思う歳でもない訳だしさ。
「あっ、でも嫌だったら無理しなくていいから!」
「い、嫌ではないよ! 大事な家族なんだから……もしそれで本当に呪い? とやらが解けて、記憶が戻ってくれれば私としても嬉しいし」
「家族、家族ねぇ~……まぁいいや! はいっ」
言ってトド松は目を瞑り、唇を突き出しキスを待った。
「い、行くぞ?」
「うん、いいよ?」
「ほ、ほんとに行くぞ?」
「いいってば」
「ほ、ほんとのほんとーに……」
「だーっ、もう!! 遅いっ!」
キス待ちのトド松だったが、私があまりに行こうとしないのに痺れを切らしてしまったらしく後頭部に手が回って軽く二人の唇と唇が触れ合った。
━━━━━━━━━━パアッ
あぁ、見たくないヤツが光だしたぞ、ピンクに。
これ仲間になる儀式だけじゃなかったの?! トド松の股間がピンク色に光ってるんですけどっ。
多分中に仕舞っている水晶みたいのが光っているんだろうけど、呆れて視線を外してしまった。
【 ナス子 は トド松 の呪いの解除 に成功した 】
「……………っっっ!! ナス子……姉さん?」
「え?」
「ナス子姉!!」
「ほぎゃっ」
最早懐かしい呼び名がトド松の口から出て目を見開く私だったが、唇を離し股間を光らせた女装トド松が私に抱き付きそのまま地面に共に倒れてしまった。