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【黒執事】スノードロップ【死神・裏】

第9章 青い霧


私は数週間振りに死神派遣協会へとやって来ていた。
グレルは規定違反による聴取の為、到着してすぐに協会の奥の方へ連行されてしまった。
そして、私とロナルドも、今回の件について取調べが必要だということで、それぞれ別の場所へ連れて行かれることになった。

「ずっと一緒いてあげられなくて、マジでごめん。……本当に俺、全然クロエのこと、守れてないな」

別れるときのロナルドの哀しげな表情が、忘れられなかった。

死神派遣協会の会社になっている部分には初めて入った。
私が連れて来られたのは、寝る為のベッドしかない、かなり無機質な部屋だった。
しかし、取調べということだから、ベッドのある部屋に入れられたのは意外だった。
しばらく一人にさせられ待っていると、扉を叩く音がした。
扉を開けて入って来たのは、ウィリアムだった。

「私が来たことが、そんなに意外でしたか?」

確かに、こういったことに専門的な部署の死神が来ると思っていた私にとって、意外な展開だった。

「貴方には、しばらくこの部屋で生活して頂くことになると思います」
「え……?ここで、ですか」

ベッドと最低限の水場意外、本当に何もない部屋だ。ワークハウスでの日々を連想させた。しばらくとは、どのくらいの期間を指しているのだろうか。一気に不安になった。

「食事の提供は欠かしませんので、ご心配なく」
「どのくらい、ここで生活しなければならないのでしょうか」
「さぁ、それは私にはわかりかねます」

ウィリアムは相変わらず冷たい対応だった。

「本日のところはお疲れでしょうから、このままお休み下さい。明日、また参ります」

そう言って一礼をしたウィリアムは、部屋から出て行くと外から施錠をした。
どうやら中から開けることは出来ないらしい。
ベッドに横になってみたが、ロナルドのことが気になって寝付ける気がしなかった。
私が未来から来たことや、これまでの経緯などを聞かれるのだとは思うが、先程ロナルドは、詳細を明かさない意思を示していた。
ロナルドがそう言う以上、私もそれに従いたい。
余計なことを考え始める前に、無理矢理にでも眠ろうと、目を瞑った。
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