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【黒執事】スノードロップ【死神・裏】

第8章 赤と黒


グレルと悪魔が戦う横で、少年がマダムに襲われていた。
それを見た悪魔が、グレルの攻撃を受けながらも、マダムに向かっていった。

「どうして悪魔が、人間の、しかも子どもを助けたりなんかするの」
「悪魔の考えることは、俺らには全く理解出来ないことだらけなんだよね」

どうやら死神と悪魔は、相反する存在のようだ。



マダムの様子が、一度会ったときとは随分と違って見えた。
あの少年とマダム。何か深い繋がりがあるのだろう。
しかし、マダムは少年を殺そうとしていたのだ。私には理解出来ないことばかりが起こっていた。

すると更に、理解し難い光景を目の当たりにすることとなった。
グレルがデスサイズで、マダムを刺したのだ。

「あ!?」

ロナルドが声を上げた。

「……マジあり得ねぇ。死神が人間殺しちゃマズイっしょ」
「そのくらいの死神としての常識は持っていたのですね。ロナルド・ノックス」

後ろから聞き慣れない声がした。

「やっぱり来てましたか。スピアーズ先輩」

ロナルドは、片手で前髪をかき上げながら後ろを振り返った。
その先にいたのは、黒いスーツを着た、眼鏡の男だった。
黒髪をぴったりと七三分けにして、非常に堅物そうな雰囲気を醸し出している。

「回収課には、まともに職務を遂行出来る死神はいないのですか」
「嫌だなぁ。俺、こう見えても振られた仕事はきっちりやるタイプなんスけどね。この前だって、急に回された任務、ちゃーんとやったじゃないですか。大変だったんスよ、あれ」

以前、ロナルドが管理課に動向を探られて、わざと大きな仕事を回されたことがあった。
ということは、この男は例の管理課か。

「ソレですね。貴方が連れ込んでいた人間は」
「連れ込んだなんて、人聞き悪いじゃないっスか。保護してたんですよ」

スピアーズと呼ばれた男はため息を吐きながら、数歩近付いた。

「人間の保護は、私達の仕事ではありませんよ」
「業務外に何をしようと勝手でしょ」
「ですが、協会内に無断で出入りをさせていたことは懲戒対象に当たります」
「ハーイハイ。もうそれはしっかり反省して、やってませんから」

それを聞くや否や、スピアーズが突然、私との距離を縮めた。
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