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【黒執事】スノードロップ【死神・裏】

第2章 生い立ち


「タイムトラベル的なことについては、俺、全くの専門外なんだよなぁ」
「はぁ」
「ただ、一つ確認しておきたい」
「なんでしょうか」
「クロエちゃんの目的は、これから起こるはずの殺人を食い止めること、でいい?」
「はい、そうなります」
「うーん」

ロナルドはジャケットの裏ポケットから手帳を取り出し、パラパラとめくった。

「伯母さんの名前は?」
「ローズ・ニコルズ」
「殺される日は?」
「1888年11月9日」
「OK。ちょっと待ってね」

ロナルドは何やら手帳を確認し始めた。
先程よりも更に眉をひそめ、真剣な表情をしていた。

「ローズ・ニコルズ、載ってないな」
「え?」
「死亡予定者リストだよ」
「……なんのリストって?」

ロナルドは椅子から立ち上がった。

「人の死が絡んでるってことだから、多分もう隠しておけないと思う」
「何をですか」

彼は姿勢を正して言った。

「俺は、死神派遣協会回収課、ロナルド・ノックスだ」
「死……神……?」
「そう。クロエちゃんがいるこの場所は、死神派遣協会の本部だよ」

私は驚きで固まってしまった。
あの、夢に出てきた死神……?それとは随分とイメージが違う。

「おいおい、自分はタイムトラベルとかいうビックリなことしておいて、死神ごときでそんなに驚くかよ」
「……そうですね、でも大分イメージが違ったので」
「もっと羽根とか生えてると思った?」
「鎌とか持ってると思ってました」
「持ってるけど?」
「え?」
「クロエちゃんも見たじゃん」
「そうでしたっけ」
「俺専用にカスタマイズしたデスサイズ。さっき仕事の道具だって言ったあれだよ」
「あぁ、あれ。葉っぱとかを刈るのに使うんじゃないんですか」
「なーんてこと言うんだよ! 俺が刈るのは人間の魂だから」

ロナルドは笑っていた。つられて私も笑った。
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