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【黒執事】スノードロップ【死神・裏】

第2章 生い立ち


「そんでさ、その口調やめない?」
「口調ですか」
「そう、それ! 敬語っていうの? そういうの俺、使われるの苦手なんだよ。特に女の子には。名前も呼び捨てで良いし」
「そ、そうかね」
「なんだそれ」
「だって敬語やめろって言うから」
「それで出た言葉がそれかよ」

彼はまた笑った。

「私の魂も刈る?」
「クロエちゃんが死んだらね」
「死神って、死神自身が人を殺めるんだと思ってた」
「それはとんだ誤解だな。死神は、人間の生死に手を出しちゃいけないんだよ」
「じゃあ死神と一緒にいるからって、魂を段々吸い取られていくとか、そういうことはないんだ」
「ないない。そんな機能、デスサイズにはないし」

そう言った彼は、優しい表情を向け、私の頭を撫でた。

「色々と辛い経験してきたんだな。ここまで生き延びてきて、偉い偉い」

死神に生きていることを褒められるなど、とても変な感じだった。
しかし、それは物凄く心地よい気分にさせてくれた。

今日はもう遅いからということで、ロナルドは自身の部屋に戻っていった。
私は備え付けのシャワーを浴びて、クローゼットに掛かっていたバスローブに着替えた。
再びベッドに腰かけると、扉をノックする音が聞こえた。

「ちょっと良いかしら、クロエちゃん」

聞こえてきたのはエマの声だ。
扉を開け、招き入れた。彼女はパジャマ姿で、何故か枕を持っている。

「バスローブじゃ寝にくいでしょう? パジャマ持ってきたの。パジャマパーティしましょ」

渡されたパジャマに着替えて、ベッドに座っているエマの横に、私も座った。

「ロナルドから色々聞いた?」
「えぇ」
「ワタシ達の正体のことも?」
「聞きました」
「そう。クロエちゃん」
「はい?」
「もっと気楽な話し方しましょうよ!」
「ロナルドにもそんなこと言われました」
「それならワタシにも、ね! ワタシのことはエマで良いわ。ワタシも、クロエって呼んで良いかしら」
「うん。もちろん」
「うふふっ。なんだか嬉しいわね」
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