Little lieR【イケヴァン◆ifイベ原作】
第3章 哀しみのオルゴール
「は? 俺に、時計の修理を………?」
「はい。レフィリア様たっての申し付けです」
セバスチャンはかすかに微笑んだ。
「ヴァンパイアでも、物を大切にするんだな」
「私はただ………思い出を無くしたくないだけよ」
いつの間にか、依頼しその人が佇んでいた。
「セバスチャン、時計の在り処を教えてあげて」
「かしこまりました………。レフィリア様」
「………レオ、行きますよ」
「あ・・・あぁ」
案内されたのは、セバスチャンの部屋。
「こちらです。………直して頂けますね?」
それは三日月を象った細工の美しい、懐中電灯だった。
「あぁ、やってみる」
カチャリ、と蓋を開けて中の造りを確認する。
すると………。
「これは錆びついてるな」
彼の手の中には、錆を纏った歯車が。
「この大きさなら、手持ちがあるぜ」
胸ポケットから歯車を取り出すと、はめ込んでいく。
ぴったりと嵌り、螺子を巻くと。
「………動いたぜ。レフィリアに渡してくる」
そう呟くと、彼女の部屋へとつま先を目指した。