Little lieR【イケヴァン◆ifイベ原作】
第10章 語れ、哀しい真実を
『セバスチャン。そしてみんなへ
この手紙を読んでいると云うことは、おそらくそこに私はいないという事ね。
黙っていてごめんなさい―――あなた達を閉じ込めた本当の理由も、私の身の上も………すべて。
セバスチャンを怒らないで。
彼は私の最後のわがままを聞き入れてくれただけだもの。
彼にありがとうと伝えて。
『最後にとびきりの夢を見せてくれて、本当に感謝しかない』―――と。
そしてお願いだから、お兄様を追わないでください。
それが兄の狙いなの。私のせいであなた達が傷つくなんて耐えられない。
それが………ひと時の美しい夢を見せてくれたあなた達なら尚更よ。
私を憎んで、そして………私を忘れて生きて。
いつまでも愛してる。そして―――さようなら』
「レフィリア………」
ナポリオーネの悲痛な声が、哀しい程優しく響いた。
「貴方がたなら、どう致しますか………?」
「レフィリアを救い出す。………行くぞ」
ある『決意』を胸に、あの古城を目指した。