Little lieR【イケヴァン◆ifイベ原作】
第10章 語れ、哀しい真実を
「レフィリア様、そろそろ起きてください」
控えめにノックをするけれど しん、と静まり返ったままで。
「レフィリア様?」
不穏な予感が胸をかすめた。震える手でドアノブを回す。
そこは、無残に荒らされていて。
書類はあちこちに散らされ、主の大切にしていたオルゴールは粉々。
書類の隙間に、『セバスチャン。そして―――愛しきあなたへ』と宛名の書かれた手紙があることを見止めた。
「レフィリア様………!」
気づけば、駆け出していた。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「これは、一体………」
彼らもまた、荒らされた部屋に絶句して。
「私のせいだ。
あの方の狙いなど分かっていたのに、泳がせていたから………!」
「あの方………?」
眉をひそめ、ナポリオーネが呟く。
ハッとしたように、彼が吐息を封じて。
「レフィリアの隠してるコトとなにか関係があるんでしょう」
「そ、それは………」
「話してくれねえのか。俺達は………いや、俺はレフィリアを救いたい」
そう告げたレオの瞳は、真剣な光を帯びていた。
「すべてを話してもあの方を責めないで頂けますか」
「そんな事………できる筈ないよ」
フィンが………呟いた。
「分かりました。では………始めましょうか」
(申し訳ございません………レフィリア様)
心で主に詫びて、彼は話し始めた。
あまりに哀しい………彼女の真実を。