第5章 名前の無い花魁
『吉原に売られた女が男に買ってもらえて村に戻ってきていたんだ、その女の人に私こういったんだ』
『なんで、吉原はとても楽しい所なのにこんな貧しい村に帰ってきたの?って』
『そしたら女の人がねとてもビックリした顔をしたの、私もそれに驚いた、女の人はね吉原は地獄だって私に教えてくれた、そしてなんで親が吉原はいい所だって言うのも教えてくれた』
『だから、私はショックだったの…もしかしたら自分も売られるんじゃないかって思って…そしたら本当に売られてしまったよ』
莉奈は苦笑いしながら言う
女「逃げれば良かったのに」
『そうかもね、でも過去を恨んでも何も変わりはしない…未来を見なきゃいけないのよ、』
女「未来…かぁ」
女は何か頭で考えているようだった
『そう言えば名前なかったよね…私がつけてあげようか』
莉奈は冗談交じりで言う
女「いいの?」
そんな答えが返ってきて莉奈は口を開けてビックリする
『ぁっ、えっと、うん(笑)』
女「じゃぁつけて!」
『えーっと…』
莉奈は外を見る…すると雪が降っていた
『ゆきなんてどう?』
女「うふふっ、冬につけられたしいいんじゃない?素敵!」
『待って、漢字も作らないとね…』
莉奈は棚から筆と紙を取る
紙に漢字2文字を書く
''夢姫''
『この漢字はどう?』
ゆ「うん!夢見る姫って感じ!」
夢姫は最初とは違う明るく眩しい笑顔だった
莉奈もそれにつられて一緒に笑う
『夢姫、これからよろしく』
夢「うん!」
二人はこの日をきに、仲良くなった